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将来的に、私たちは、タイ国のみならず大メコン圏(GMS)の不動産仲介にも対応できるように努力しています。 筆者は、ミャンマー、ラオス、カンボジアの工業団地を実際に視察して回りましたが、日系企業にとってラオスが最も進出しやすい国、そして「地域補完型」の工業化に適している国であると感じており、この国の動向に着目しています。

ラオスは、インドシナ半島の中心に位置し、タイ、中国、カンボジア、ミャンマー、ベトナムの5カ国に囲まれています。 国土面積は、236,800平米、人口640万人のアジアの小国として知られていますが、タイ・プラス・ワンの新たな生産拠点として静かに注目を集めています。

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ラオスの優位性として挙げられるポイントとしては、下記の通りです。

① 陸路にてタイと接続: タイとラオスの国境に流れるメコン川には、4つの国際友好橋が架かっており、これらの橋を利用して、容易にタイから陸路でラオスへ入国することができる。

② 豊富な電力: 安定的で廉価な電力供給を受けることが可能。 ちなみに電力料金は、カンボジアの3分の一。

③ タイ語との言語類似性: ラオスは、基本的にタイ語が通じる為、意思伝達が容易であり、タイバーツもラオス国内で普通に使える。 タイ工場で育てたタイ人熟練ワーカー、マネージャーをラオスの工場操業に指導者として送り込むことが可能。

④ 低廉な労働力と労使紛争の発生が皆無: ラオスの最低賃金に諸手当を加えた直接・間接労務費は、タイの約4分の1である。 労使紛争の発生が皆無で、今まで発生した事例がない。

⑤ SEZ(経済特区)の構築: ラオス政府は、現在SEZ開発戦略を策定中であり、近年まで工業団地が皆無だったラオス各地に10の経済特区(SEZ)が整備され、サワナケートには、ジャパン・クオリティの工業団地さえ設置された。

⑥ 東西経済回廊へのアクセス: ラオスのサワナケートは、ベトナム・ラオス・カンボジア・タイをつなぐ東西経済回廊上の戦略的な要衝に位置していること。 アユタヤから東北部コンケンを経由して第2友好橋を越えサワナケートまで650キロの道路網が整備されている。

⑦ 手厚い恩典: SEZ(経済特区)進出企業へ、タイ・カンボジアよりも手厚い恩典を提供している。 (a) 利益が計上できた年から10年間の法人税免除、その後8%、(b) 建設資材・工場機械の輸入関税免税、付加価値税の免税、(c) 材料・パーツの関税免税、付加価値税の免税、(d) 外国人・ラオス人被雇用者を含む社員の個人所得は一律5%の恩典が与えられる。

⑧ 安定した政情: ラオスの政治は、5年ごとに共産党大会が開催されており、前大会は、2011年に開催され、長期政権になることから政治的に安定しているのが強み。

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 経済特区名所在地設立年有効
期間
開発面積(ha)投資額
(100万$)
1ボーテン・ビューティフル・ランドSEZルアンナムター県2003501,640500
2ゴールデン・トライアングルSEZボケオ県2007993,00086.6
3ポーキョーSEZカムワン県2010994,850100
4タケークSEZカムワン県2012751,03580
5サイセタSEZ首都ヴィエンチャン2010501,000128
6タットルアンSEZ首都ヴィエンチャン2011993651,600
7ルアンタン・ビエンチャンSEZ首都ヴィエンチャン2012995571,000
8ドンポーシーSEZ首都ヴィエンチャン2012505350
9VITAパーク SEZ首都ヴィエンチャン20107511043
10サワン・セノSEZサワナケート県20037595474

中国・タイ進出済みの日系製造企業の多くは、人件費高騰、労働者不足、洪水などの自然災害等の問題に直面し、一国集中リスク回避の観点からも、新たな製造拠点をアセアン域内に求めるケースも散見されます。 その進出検討候補国に一つであるラオスは、人口が少なく将来的な労働力確保にある、内陸国のため物流コストがかさむという理由で、早い段階でその対象からはずれてしまう傾向にあります。

ラオスの人口は、少ないと云われていますが、例えば、サワナケート県の労働人口60万人に対し、同県からタイへ出稼ぎに出る人が27.5万人もいます。 これは、労働者が少ないのではなく、労働者がラオスにいない。 最大の問題は、ラオス国内の雇用不足のように思われます。

現在、ラオスでは経済特区(SEZ:Special Economic Zone)の整備が着々と進んでいます。 現在、ラオスには、東西経済回廊周辺に4つの経済特区と6つの特定経済が認可されており、その中で5つのSEZ(サワン・セノ、ビタパーク、ゴールデントライアングル、サイセタ、ポーキョー)が現在入居可能です。 また首都ヴィエンチャンには認可済みのSEZが5つあり、2013年10月にタイの分工場として、2013年から、サワン・セノSEZに進出したニコン、トヨタ紡織をはじめ、ヴィエンチャンのビタパーク工業団地に進出を決めた三菱マテリアル等、徐々に日系企業の進出も増え始めています。

タイの隣国の工業団地は、一般的に、雨水溝、給排水、汚水処理場すら完備されていない工業団地がほとんどですが、サワナケートのサワン・セノ経済特区の工業団地は、安定した電力供給に加え、雨水溝や汚水処理場等が備わっており、タイの工業団地に非常に近いレベルのインフラが備わっています。 そういう意味では、非常に安心感があるのでお勧めですが、欠点としては、サワナケートには、日本人が住めるアパートが無い、日本料理が1件しかないなど、課題もあります。 但し、車で20分くらい走れば簡単にタイ国境を越えることができるので、ムクダハーンにて食料品や日常品の調達等が可能です。

ラオスでは、SEZごとに法令があり、優遇制度もSEZによって異なりますが、周辺国の優遇措置と比べると魅力が多い様に感じます。 例えば、サワン・セノSEZの法人税にかかる優遇は、「黒字計上から10年間」に亘り法人税が免除されますが、カンボジアでは「操業開始から9年」を上限として法人税が免除となっています。 また、カンボジアでは、法人税率20%になりますが、サワン・セノでは通常の法人税率24%よりも低い8%が適応されます。

今まで生産・輸出拠点として中心的な役割を果たしてきたタイや中国ですが、近年の賃金の上昇や政治、自然災害のリスクが顕在化しました。  2015年のASEAN経済共同体(AEC)発足など、ASEANが単一の市場と生産拠点になっていく中で、今後のグローバルサプライチェーン構想においては、点ではなく、面としてのASEAN諸国の活用がポイントとなると考えています。 この観点から、ラオスは、タイととても友好関係にあり、タイの兄弟国のような存在のラオスを今一度見直して選択肢の一つとしてご検討頂ければと願っております。

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エヌアセットでは、お客様のご要望に応じて、ラオスの工業団地視察ツアーを企画しています。
旅程、ホテルや車の手配、各工業団地のアポ入れを含めて、包括的に対応しています。
この視察ツアーには、代表の来住が同行し、各工業団地をご案内しますので、別途費用がかかります。

 

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